当研究室について

早稲田大学 基幹理工学部 応用数理学科 劉 言 研究室 へようこそ.

本研究室では,数理統計学を礎に,時系列現象の解明や手法の開発に纏わる研究に取り組んでいる.

数理統計学とは,確率論を出発点として,「統計」を理解するための分野である.「統計」という言葉が初めて使われたのは,江戸時代に遡る,といわれている.ピタゴラスの定理に代表される幾何学と比べれば,如何にも近現代的オブジェクトのように感じる方も少なくないでしょう.

しかし,これは正に思考が先か言葉が先か,という問題であり,一般的に,人類が帰納的に法則を見出す行為そのものが統計で,とうの昔からアルゴリズミックな統計学をしてきているのだ!その代表例がケプラーの法則と考えられる.コルモゴロフによって現代の公理的確率論が築かれると,数理統計学の大航海時代が始まり,「統計」の数学が大発展を遂げた.様々な真理解明に世界中が逐鹿する最中,数理統計学もそのコンパスとして発展し,変化を遂げ続けているのだ...

時系列解析とは,時と共に変動する不確実性の伴う観測系列に対する統計解析である.自然科学,工学,経済学,金融工学,生体工学など多方面での応用が持たれており,その有用性が確認されている.本研究室は,不確実対象の最適予測・最適推測を実現することを夢に,統合的な研究を進めている.

本研究室の研究対象

これまでに開発した統計手法:

  • 自己基準化のモーメント法
  • 調和安定過程の頑健的予測法
  • 非有限分散確率過程の経験尤度法
  • 非対称コピュラに基づくリスク推測法
  • 時系列の周期性に関する統計的推測法
  • 高次元時系列の判別解析方法とジャックナイフ法によるバイアス修正
  • 高次元時系列の球面性検定法
  • 非有限分散時系列の変化点解析法
  • 時系列データの局所的因果性解析
  • 時系列データのトポロジー特徴量の抽出

等々.